若手建築家の建築思想から建築の方途を探る「現代建築家コンセプト・シリーズ」の第2期が始動。
1冊目はVUILDのCEO秋吉浩気による『メタアーキテクト──次世代のための建築』。
本書で描かれる次世代の建築家は、作品をつくることのみならず、産業、経済、流通といった、建築がつくられるシムテムや構造そのものまでデザインするメタな視点を再び持つ。
秋吉が立ち上げたVUILDは「建築の民主化」をテーマに掲げ、生産と流通、制作と制作ツールの拡張を事業とする集団である。
建築家として作品をつくりつつ、起業家として作品が生み出される環境もまたデザインしている秋吉が、今、建築を取り巻く社会がどのような変化を遂げてどこへ向かおうとしているのかを紹介する。建築の外側に向け、建築の力を通して社会的インパクトをもたらす野心的な1冊。
A5版、192頁、カラー写真も豊富に掲載。
▶︎▶︎目次
▶︎1章
変わる社会──ソーシャルインパクト論
ゲームチェンジャーが生まれないのはなぜか/10%の価値しか生まない建築家/10%の人類のための建築家/0-1を超えてソーシャルインパクトをもたらすために/0でも1でもあるデジタルな世界の構築に向けて
▶︎2章
変わる産業──デジタルファブリケーション論
第三次産業革命とものづくりの民主化/民主化の第二フェーズに立ちふさがる3つの壁/2008年以降のデジファブ建築の展開/プレファブからデジファブへ
▶︎3章
変わる経済──ポストキャピタリズム論
経世済民とオイコノミア/加速主義と脱成長論/デモクラタイズとムーンショット/狩猟型社会と農耕型社会/暗号通貨と贈与経済/共有型経済と循環型経済
▶︎4章
変わる流通──デジタルヴァナキュラー論
デジタルヴァナキュラーの時代/2つのヴァナキュラー/林業のマイクロ6次産業化/リープフロッグアーキテクチャー/南砺7人衆/まれに訪れることの出来る家/現代の合掌造りを造る/集団的創作の原理/現代の相互扶助
▶︎5章
変わる職能──メタアーキテクト論
建築と社会の再接続/弱く、柔らかく、小さな建築家像/メタ化する建築家/マリオ・カルポと村松貞次郎/マスタービルダーとメタデザイナー/建築の民主化
▶︎6章
変わる設計──デジタルデザイン論
メタアーキテクトは何をデザインすべきか──システムとプラットフォーム/近代を乗り越える──コンポジションとコンストラクション/アントロポモルフィスムとデミウルゴモルフィスム/ガウディとゲーリー/パラメトリシズムとディスクリート/デジタルマテリアルとセルフアセンブリ
---
▶︎ Ⅰ 建築以前
i)場づくり
蒲田ブリッジ/ShopBot拠点について/UNICO/丸太とスキャン/本牧の工場
ii)事づくり
パークキャラバンWS/神泉WS/笹塚のベンチ/福岡県朝倉市WS/南砺七人衆WS
iii)人づくり
EMARFについて/移動式WS@神戸/芝浦工業大学の課題/EMARF一般事例/企業コラボ展示/BABABA 展示
▶︎ Ⅱ 建築未満
ミクロ・メゾ・マクロ/線材/面材
i)線的構造
佐川の船小屋/川崎の仮設橋/SLUSH/浜松のバス停/カヤック
ii)面的構造
チャネル/乃村工藝社パビリオン/CAMPPOD/六本木の音楽スタジオ/茶室
▶︎ Ⅲ 建築以降
i)規模展開
まれびとの家
ii)水平展開
Nesting/熱海
iii)垂直展開
学芸大学
---
企画・編集・制作
株式会社スペルプラーツ(中村睦美、飯尾次郎)